1. DM成功の秘訣は、やるべきことをやる!
DMの成功には基本を外さない
ダイレクトメールの効果を高めるには様々な方法があります。
ただし、「間違いなく当たるDMの作り方」などと、華々しく披露できればよいのですが、一概には言えません。なぜなら、DMで売りたい商品やサービスもしくは目的によってそのアプローチは異なりますし、全てに共通する成功要因を見出すのは難しいからです。ただし、ダイレクトメールには、オーソドックスな約束事が存在します。
DM成功の秘訣の第1歩は、これら基本則を外さないこと、基本に忠実に、考えるべきを考え、やるべきことをすることです。
何事にも奇手奇策はありませんし、いろいろとやり過ぎるのは禁物です。
DMを継続的に実施し、効果を上げている会社であれば、当たり前のようにやっていること、これを疎かにすると失敗するということを、ご説明します。
DMで効果を上げるための戦略を定める
何を今さらと思われるかもしれませんが、教科書的に言えば、「DMの実施にあたっては、その目的を明確にした上で、効果を最大化するための戦略を定めましょう」ということです。
要するに…
- 誰に対して、何のために、DMを送付するのかを明確にする。
- DM送付にあたって目標(=成功イメージ)を事前に定める。
- その目標達成のために、売れるDMの基本則から、自社DMを考える。
- その上で、DMを作成する。
ということです。
顧客のセグメント化がDM企画の出発点
まず考えるべきは、「誰に」=「DMの受け手となる顧客」を明確にしなければなりません。これが売れるDM企画の出発点となります。
会社によって解釈や認識に違いがあると思いますが、便宜上、送付対象(ターゲット)となる顧客の概念を、
以下の3つのセグメントに分類します。
潜在顧客
顧客になる可能性があると思われる、
ただし顕在化していない顧客
見込顧客
現時点で収益化していないが、
既に顕在化している顧客
既存顧客
商品やサービスを購入・利用したことがある、収益化している顧客
顧客別ターゲティングで目的を定める
1 潜在顧客の開拓
潜在的ニーズを持つ顧客を顕在化させる!
主に外部のDMリストや名簿データなどを利用して、自社顧客になりうる条件や嗜好性があると思われる送付対象(ターゲット)を絞り込んでDM送付する。
自社商品・サービスを認知させる、新規・既存店舗等への初来店を促すなど、見込顧客化及び一気に顧客化することを主目的に実施します。
2 見込顧客の顧客化
顕在化している見込み顧客を顧客化する!
過去に資料請求や来店があったにも関わらず、未だ顧客化していない見込顧客に対して、アンケートなどで取得した社内リストを用いてDMを送付する。
知り得た顧客属性や嗜好性などから、送付対象に購買意欲を高める案内や告知を行う、再来店等を促すなど、顧客転換化を目的とします。
3 既存顧客への販売促進
既存顧客の購買頻度や販売額を最大化する!
購買履歴や過去の売上高から既存顧客をランク付けするなどセグメント化した社内リストを作成。既存顧客の来店頻度や自社へのロイヤルティを高めるために、DM発送する。
例えば、一般公開に先駆けた新商品・サービス等の案内や、プライベートセールなどお得意様限定の告知や特典の付与といった様々な情報提供をするなど、販売額を最大化することが目的です。
2. 目標を設定するから売れるDMが作れる!
目標は社内で共有する
DMを発送するにあたっては、必ず目標を設定して、社内で成功イメージを共有して下さい。一般的に、DM発送は、広告宣伝及び販促を所管する部門によって企画・実施される場合がほとんどですが、実際に「売れたDM」「当たったDM」の多くは、販売・営業部門と目的意識・成功イメージの共有化が図られ、その目標達成のために社内が一丸となって協力や連携がスムーズになされた場合なのです。
また、目標が明確であるからこそ、「売れるDM」「当たるDM」を考え、作ることができ、だからこそ「売れたDM」「当たったDM」に、結果としてなり得ます。
この目標をうやむやにしたまま実施すると、本当にDMが成功したのか、何が良くて、何が悪かったのかが、さっぱりわからなくなってしまいます。
DMレスポンス率(反応率)は重要指標
DM初心者の方は、何を基準に目標数値を設定したらいいのか?
これまで前例があればまだしも初めて実施するし…という方は、DM効果を計る上で、重要な指標かつ万人が理解しやすいという観点から、DMのレスポンス率(反応率とも言います)を、まずはベースに考えてみましょう。
一般的なDMのレスポンス率は、以下のとおりです。
■ 潜在顧客対象:0.5%~1%程度
■ 既存顧客対象:5.0%~15%程度(※見込顧客含む)
【出典:日本金融公庫資料より】
ちなみに、これらはあくまでも一つの目安にしかすぎません。ここからが重要なのです。
例えば、潜在顧客対象であっても反応率が10%を超えるDMは存在しますし、既存顧客対象であっても1%に満たないDMもあります。
そもそも商品やサービス、法人・個人、価格の違いなど、前提条件が全く異なるものを、一般的なDMのレスポンス率はこれぐらいなので…と、唯一の目標数値として設定するには無理があります。やはり、それなりの費用をかけてDM送付する企業側にすれば、最も大切なのはコストパーフォマンス、つまり費用対効果ではないでしょうか。
とはいえ、DMを送付した顧客から何らかのレスポンスがあってこそ、売上げが期待できる訳ですから、その反応率が、重要指標であることに違いありません。正確に言えば、DMのレスポンス率は重要な指標であることに間違いありませんが、それのみを目標としてもいけないということです。
費用対効果の測定は「いい加減」が大事!
効果的なDMと言うからには、その効果の測定ができないことには話が始まりません。また前項でご説明したとおり、DMの反応率だけでは、費用対効果を計ることはできません。基本的なDMの効果測定方法を理解して始めて目標は設定することができます。
かといって、精緻に測定しようとするあまり手間暇をかけすぎるのも、本末転倒になってしまいますので、まず目標設定とその達成を計る上で、最低限必要な効果測定ができるレベルに留めておくこと、いい意味での「いい加減」が重要です。
効果測定上、把握すべき基本事項
① DM発送件数(通数)
DMを送付した総件数。
② DM到達件数(通数)
DMを送付して、実際に送付先に到達した件数。リーチ件数という場合もあります。
郵便やDM便、メール便(ヤマト運輸、佐川急便など)での発送後、不着のダイレクトメールが返送・返却されますが、この不着件数をDM発送件数から引いた件数です。
この数値を把握しない会社が非常に多いのですが、実質的にDMのパフォーマンスを向上させるという観点から、重要な数値ですので必ず把握するようにしましょう。
DMを送付して、実際に送付先に到達した件数。リーチ件数という場合もあります。
郵便やDM便、メール便(ヤマト運輸、佐川急便など)での発送後、不着のダイレクトメールが返送・返却されますが、この不着件数をDM発送件数から引いた件数です。
この数値を把握しない会社が非常に多いのですが、実質的にDMのパフォーマンスを向上させるという観点から、重要な数値ですので必ず把握するようにしましょう。
③ DM総費用(トータルコスト)
DMを制作~印刷~宛名印字~発送・郵送までにかかった費用。
DMの制作費やデザイン費は除き、印刷以降の費用のみを総費用とする会社もあります。
外部からリストや名簿を購入・レンタルした場合は、その費用も含めるのが一般的です。
④ 1通あたりのDMコスト
DMのコスト@(円)=③÷①という計算式で求めることができます。
例えば、DM発送件数が10,000件、その費用が100万円であれば、DMコストは@100円となります。
実施前に相見積もりをとって比較する、前回比較する、費用対効果を把握する、などに必要な数値になります。
⑤ レスポンス数(反応数)
DMの送付後の顧客からのレスポンス数(反応数)を言います。
DMは、このレスポンス(反応)を獲得するために実施します。このレスポンスが無ければ、成約することもなく会社収益に帰結しませんから、最重要数値と言っていいでしょう。
なお、DMのレスポンス数を計測するにあたって、来店者数をカウントするとか、お客様からのお問合せの内、簡単な質問や確認はカウントしないなど、何をもってDMのレスポンス(反応)とするかを、必ず事前に決めるようにしましょう。
例えば、電話からの問合せは、フリーダイヤルやフリーコールを利用した専用ダイヤルを設置しておくと、計測がシステム的にできるため便利です。
DM発送の担当部署とレスポンスを受ける部署が違うことも多いですから、社内への周知を徹底しておくことも肝要です。
⑥ レスポンス率(反応率)
レスポンス率(%)=⑤÷①×100という計算式で求めることができます。
例えば、10,000件のDM発送をして、100件のレスポンス(反応)があれば、レスポンス率(反応率)は1%ということです。
ちなみに、より厳格にレスポンス率を求めるのであれば、DMの発送件数①を母数としてではなく、
DM到達件数②を母数として、レスポンス率(%)=⑤÷②×100という計算式を使用してください。
そもそも、未到達のDMはゴミでしかありませんので…
一般的に、レスポンス率(反応率)が高い=効果的なDMだと言っていいでしょう。
⑦ CPR(コスト・パー・レスポンス:cost per response)
費用対効果を表す指標で、CPR=③÷⑤という計算式で求めることができます。
1件のレスポンス(反応)を獲得するために要した費用を表します。
DMの総費用が100万円、反応数(レスポンス数)が100件であれば、CPRは1万円です。例えば、CPRを算出することにより、DMトータルコストが120万円かかっても、レスポンスが120件以上あれば、CPRは1万円以下となり、投下コストは20万円増加しても費用対効果は逆に向上した事がわかります。
さらに、ハガキDMと圧着DMの対比など、仕様や発送単価が異なるDMのコストパフォーマンスを、容易に比較することもできます。
⑧ 成約数
会社によって様々な言い方があると思いますが、DM送付により得られたレスポンスから成約した総数を言います。
DMの企画や発送の担当部署が、レスポンス数は把握していても、この成約数を知らないというケースも少なくありませんが、会社としてDMの主たる目的は、売上を上げることにありますから、DMの反応数以上に、成約数は把握すべき数値と言えなくもありません。
⑨ 成約率
成約率(%)=⑧÷①×100という計算式で求めることができます。
例えば、DM発送件数が10,000件で、レスポンス数が100件、その内の成約数が50件であれば、成約率は0.5%となります。
DMの仕様やデザインによって成約率が上下することは、決して少なくありません。成約率の高かったDMが、どんな仕様・デザインや訴求であったかを検証すること、そのフィードバックを次のDMの企画や制作に活かすこと、そのサイクルを欠かさず実施することが、売れるDMを作る早道です。
⑩ CPO(コスト・パー・オーダー:cost per order)
1件の成約に要したコストを言います。
会社によってCPC(コスト・パー・コントラクト:cost per contractの略)とも言います。
CPO=③÷⑧という計算式で求めることができます。
例えばDMの総費用が100万円で、成約数が50件であれば、CPOは2万円となります。
もし、成約した商品の価格が2万円以下であれば、まったく採算が取れていないということですし、逆に100万円であれば、売上に対して販促費率が2%で顧客を獲得できたということになります。
つまりこの指標は、「採算が取れたのか」「DMが、顧客獲得手段として高いのか安いのか」、「継続すべきか、他の手法を検討するべきか」といった判断基準になります。
3. 売れるDM作りの基本則!
DM開封率とは?
DMに関する書籍や情報サイトには、「開封率を○○%アップさせます」「開封率の高いDMの作り方」など、ダイレクトメール開封率についての記載をよく見かけることがあります。
前述のとおりDMの反応率は、DM発送後のレスポンス数より測定可能ですが、果たしてDMの開封率を測定することができるでしょうか?
答えは否です。何故なら開封したかしなかったかは、DMをお届けしたお客様の行為であって、この行為自体を把握することは、ほぼ不可能だからです。送られてきたDMを開封したか?開封しなかったか?は、DMを送付した方一人一人に聞かないことには、把握できません。
そんな不確実な開封率というワードが、こうまでも気になってしまう理由は、DMは送り先の郵便ポストに投函後、手に取ってもらい、開封されなければ、レスポンスには結びつかないということだからなのでしょう。
つまり開封率とは、「顧客の注意をひく」「手にとってみる」「何らかの興味を持ち開封する」「封入物に目をとおす」これらの動作を包括する言葉もしくはそれらを意味するものと解するのが正しいのです。
開封率アップは二感に訴える
五感なら聞いたことあるけど…おっしゃるとおりです。ご承知のとおり五感とは、目・耳・舌・鼻・皮膚を通して生じる五つの感覚で、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚を言います。その五感の内、
「視覚」と「触覚」の二つの感覚に訴えかけることが、DMの開封率アップの秘訣です。
以前、同じ仕様・内容の封入物を、同サイズの紙封筒と透明封筒に封入したDMを送付して、どちらの反応率が高いかというテストマーケティングを行ったことがあります。結果は、透明封筒が上でした。
次に、ブランドロゴとオファー(特典とも言います)を目立つように印刷した真っ赤な封筒と透明封筒に、同じ仕様・内容の封入物を封入したDMを送付しました。今度は、封筒の方が、反応率が高いという結果になりました。
このテストマーケティングの結果から言える事は、DMを受け取って始めて目にするはずの封筒自体に注意をひかせる工夫をすることが大切ということです。
ただし、ダイレクトメール発送の都度、そのためだけに封筒を印刷するのは、コスト的な負担が重く、日数もかかります。そのため近年では、封入する印刷物に注意をひかせられて、関心を高める仕掛けができる透明封筒を採用するケースが増えています。
例えば、圧着DMであれば、受け手側が開封することなく一見できる部分に、顧客の注意をひく仕掛けをすることがポイントです。
つまり圧着DMの場合、開封してくれることを前提にデザインや訴求を考えるのではなく、開封しなくてもレスポンスがある!
開封してくれればさらに反応が高くなる!というように、DMデザインをレイアウトしましょう。
これらは視覚に訴えかける主な例ですが、顧客が郵便ポストから郵便物を取り出す際に「あれっ?」といった違和感を覚えさせて、思わずDMを手に取らせること、これが触感を利用した仕掛けです。紙を厚くする、凹凸感のある紙になど、紙の質感を変えたり、特殊な印刷をすることで、手に取りたくようなDMを演出するのです。
さらに三角形の封筒など封筒の形状を変えてみたり、立体的な封入物を封入してみたりなど、人の視覚と触覚を意識したDM作りで、開封率アップを狙いましょう。
DMレスポンス率アップのメカニズム
DMのレスポンス数を、受け手側の意識・行動から分解すると、以下の通りになります。
レスポンス数(反応数)= 「送付件数」×「到達率」×「手に取る率」×「目に止まる率」×「興味を持つ率」×「購買意欲が湧く率」×「実際に行動を起こす率」。
つまり、DMレスポンス率(反応率)をアップさせるためには、ダイレクトメールの受け手側に、この6つの意識・行動を取らせなくてはならず、それら各々を最大化することが重要です。
1 到達率を増やす
受け手側のポストに届き、不着率を減らすこと。
2 手に取る率を増やす
郵便ポストに届いてから、即ゴミ箱に捨てられず、手に取ってもらうこと。
郵便ポストに届いてから、即ゴミ箱に捨てられず、手に取ってもらうこと。
3 目に留まる率を増やす
目に留めて見てみよう、読もうという気にさせること。
4 興味を持つ率を増やす
商品やサービス、プロモーションなどに興味を持ってもらうこと。
5 購買意欲が湧く率を増やす
その商品やサービスなどを買いたい、使いたいと思わせること。
6 実際に行動を起こす率を増やす
その商品やサービスを買いたいもしくは話を聞いてみようと行動させること。
効果を高めるDM作成の3大要素
レスポンス率(反応率)を高めるためのDM作成の3大要素が、
❶リスト
❷タイミング
❸クリエイティブ・フック
です。
これらの要素をしっかり考えたDMを作ることで、そのダイレクトメールの反応率は飛躍的に高まります。
DMリストはターゲットを明確に!
DM(ダイレクトメール)は、リストがなければ送ることができません。
また効果的なDMを作るためには、その送付対象(ターゲット)を明確にしなければなりません。
なぜなら「誰に送るか?」によって、訴求の方向性を変える必要があるからです。また、「誰に送るか?」によってレスポンス数は、大きく上下します。にもかかわらず、リストに重きを置いて、しっかり検討する会社が少ないように思います。
まずは、送り先別に考えてみましょう。
●DM名簿・リスト業者から法人・個人情報を購入して送る
外部リストとも言われます。ここで送り手側が考えるべきことは…
- 受け手側にしてみれば、見知らぬ企業からDMやチラシが送られてくる。
- 顧客になってくれる可能性が高いと思われる人を絞り込んで送る。
【メリット】
- 社内リストに比べ数多くの人へ送ることができる。
- 業者が、名簿リストのメンテナンスやクリーニングをしているので、不着率が事前に把握きる。社内リストより不着率が低い場合が多い。
- 属性(氏名、住所、電話番号他)から、対象(ターゲット)を容易に絞り込むことができる。
【デメリット】
- 個人を対象に送付した場合、クレームが多い。(法人の場合、ほぼない)
- 社内リストに比べて反応率(レスポンス率)が低い場合が多い。
- リスト入手にコストがかかる。
【留意点】
- 個人情報保護の意識向上、情報漏えい事件の報道等により、ますますクレームの比率が高まる可能性が有る。
- 個人情報保護法に則った名簿業者から個人情報などを購入すること自体に、違法性はないが、企業の内規により禁止されている場合もある(この場合、購入ではなくリストレンタルという手法を選択することもできる)
●自社で管理する見込・既存顧客リストから送る
社内リストとも言われます。ここで送り手側が考えるべきことは…
- 受け手側は自社を認知してはいるが、その程度に差があるということ。
- 見込顧客の場合、ほぼ見込みが薄い顧客もいれば、顧客転換化が容易な顧客もいる。
- 既存顧客であっても、初回利用・購入後から長い期間が経過している顧客もいれば、VIP顧客もいる。
【メリット】
- 外部リストに比べ、レスポンス率(反応率)が高い場合が多い。
- 顧客属性を予算。
- 嗜好性など含めてある程度把握できているため、様々な訴求が可能。
- リストにコストがかからない。
【デメリット】
- 外部リストに比べてリスト数が少ない場合が多い。
- 顧客データがデータ化されていない、属性が入力されていないなど、リストデータに不備が多く、せっかくの属性データを利用する仕組みがない。
- リストのメンテナンスやクリーニングを定期的に行う仕組みがなく、宛先不明等を理由とする不着件数が多い。
【留意点】
- ビッグデータの利用など、データベースマーケティングの重要性が認知されている割に、データを有効に活用している会社が少ない。
- データ管理・メンテナンスやデータを利用したい部署など、管轄する部署が複数あり、それぞれの思惑や予算の都合で、利用の仕組みや整備が進まない。
オリジナルリストでDM効果を最大化する
見込み顧客や既存顧客をある一定のルールでセグメント化し、
優先順位付けした門外不出の貴社オリジナルリストを作りましょう。
見込顧客を、より見込みの高い顧客から優先順位付けして営業をかける。既存顧客であれば、購買日、購買内容や購買頻度から購買額に応じてポイント化して優遇するなど顧客ロイヤルティの向上や販促を行うといったことは、ごく一般的にやられている
と思います。
こういった顧客情報をDMリストに反映し、顧客をセグメントした上で、DM送付することで、DMの効果は飛躍的に上がります。既存の顧客であれば、顧客データにこれまでの購買履歴を紐づけして、「一度しか来店していない」「最後の来店から一定期間経過している」「購入している商品に傾向がある」「一定期間の購買頻度や購買額が高額」など、顧客ごとに絞り込みが容易に行えるようにしましょう。
さらに、既存顧客データを見込み顧客当時にまで遡ってデータ化してみて下さい。例えば、既存顧客セグメント別に、その顧客層が、見込み顧客当時は、どのように来店時アンケートに記入していたかなどの傾向や特性を分析することで、固定客もしくは優良顧客になる可能性が高い順に見込み顧客を優先順位付けすることができるはずです。
一般的に、潜在顧客を顧客化するまでのコスト・労力は、既存顧客に継続的に購買を促進するコスト・労力の約5~10倍と言われています。
企業が所有する既存顧客・見込み顧客のDMリストは言わば
「お金をかけずに顧客や売上を増やせる可能性に満ちた宝の山」なのです。この資産を活用しない手はありません。
リストクリーニングでコスト削減・効果アップ!
特にDM発送に手慣れた企業ほど、手付かずのまま放置されがちなのが、ダイレクトメール発送後、届け先に到着せずに戻ってきたDMを回収して、DMリストから削除することです。この作業をリストクリーニングもしくはリストメンテナンスと言います。
宛先不明であるとかの理由で、一度不着したにも関わらずDMリストから削除することなく、再度DMを発送するということは、コストや紙資源の無駄遣い以外の何物でもありません。またDMの高効率化・反応率アップという観点からも、大きなマイナス要素です。
例を挙げて説明しましょう。某社では、前回10,000件のDM発送をしましたが、500件の不着件数があったにも関わらず、それらをリストから削除することなく、前回同様のDMリストで10,000件を発送しました。その費用は100万円でした。今回のDM発送で100件のレスポンスを得られたとします。
この場合の反応率はと言えば、<反応数>100件÷<発送部数>10,000件=<反応率>1%でしょうか?
決して間違いではありませんが、少なくとも発送以前より500件は前回の結果を受けて未到達=無駄な発送であることは明らかなのですから、反応率を算出する上での母数は、顧客にDMが届いた部数=9,500部と考えるべきです。とすると
100件÷9,500件=約1.05%
の反応率があったと言えます。明らかに無駄な500件を削除し、新規に500件を追加して10,000件のDMを発送していれば、105件の反応があった、と期待できるのです。
つまり、5件のレスポンス増を期待できたかもしれないということになります。単純に、前回不着の500件を除外して9,500部で発送すれば、その費用は95万円で済んだはずなのです。
この不着リストを削除するという作業が、即コスト削減や反応率アップに直結するということがおわかりいただけたでしょうか?
※発送件数を減らすことで単価が上がることがありますが、ここではわかりやすく同じ単価と想定した場合のお話となります。
また、DM発送については、送料がコストの大部分を占めますため、トータルコストで考えると効果アップはかなり期待できることをご理解いただけるかと思います。
需要の時期的変動の見極めが反応に直結する
DMの反応率を高める上で、タイミングは非常に大切です。例えるならば、いかに魚が泳いでいようが、その魚が空腹でなければ餌に食いつこうとしないように、商品やサービスの需要に何らかの時期的変動がある場合には、このタイミング次第で反応率は二桁%以上も変動します。このタイミングの見極めは、基本的にDM特有のものではなく、売上やその他のメディアからのレスポンスとも連動します。
わかりやすい例としては、学習塾であれば学年の切り替え時(3~4月)や夏休み前が最大の需要期でしょう。セールであれば、季節の変わり時や賞与の時期でしょう。いわゆる「売れ時」「売り時」というやつです。この場合、その時期を選んでダイレクトメールを送付すれば、当然レスポンスは良くなります。ここで、うちの会社の商品やサービスはあまり関係ないから…と思われた方は、もう一度本当にそうかどうか、自社商品等の売上の傾向などをリサーチしてみてください。
また自社データのみではなく、商品やサービス需要の時期的変動や傾向をリサーチしたいのであれば、Googleが無料で提供しているGoogle Trendsを使えば容易に把握できます。
※Google Trendsは、ある単語(=商品やサービス)がGoogleでどれだけ検索されているかというトレンドをグラフで見ることができるツールです。
【実例】
某健康食品会社ではコンドロイチンを主力商品として販売しています。関節痛などに効果があるといわれる商品ですが、どの時期で売上が最大化すると思いますか?
何となく寒くなってくると関節痛が厳しくなりそうだし…冬かなと思いがちなのですが、実は秋です。
もっと言うと、その会社の売上を月別に分析したところ9月でした。なぜでしょうか?
- 健康食品の主要顧客は、その大半が健康に気を使っている50歳代以降の方です
- 健康に気を使っている人は、基本的に健康のために運動(散歩/ジョギング/ハイキング/山登り)します
- 夏は暑いので、運動するにはちょっと辛い季節です
そこで、夏が終わり涼しくなってから運動しようと、寒くなって関節痛がでてくる前に準備しようと、その結果9月になるのです。
これには続きがあり、その売上構成を分析したところ、実は新規顧客が増えるのも9月でした。きっと運動を始めようとすると同時に、新しい健康食品を試してみようという気になる時期なのでしょうね。
つまり、効果的なタイミングで効果のあるDMを送るには、
このようなことを季節別、月別、週別、曜日別に分析し、顧客心理に即した訴求を行うということが重要です。
発送日も大事なタイミングって知ってた?
DM発送・送付には、発送日をいつ頃にするか何曜日にするかを考えることも大事です。
新聞の折込みチラシでは、なぜ木曜日・金曜日・土曜日に不動産チラシが多いのかをご存知ですか?なぜなら殆どの場合、土・日曜日にマンション探しなど不動産巡りをする方が多いので、その前々日ぐらいより告知や案内を行うためです。同様の理由から、ダイレクトメール発送においても、到達日(=告知・案内)をいつにするというタイミングを見据えた上で、発送日を確定する必要があります。つまり木曜日に到達させたければ月曜日に、金曜日であれば火曜日に投函するといった具合いに発送日を決めないとなりません。
さらにDM発送の目的が、電話による問合せを得ることにあれば、到達予想日に合わせてオペレーターの人員配置を増員するといったオペレーションにも関係します。(到達日は、大体の予測になるため、少し幅を持たせることも必要です。)
展覧会、販売会、セールのお知らせなど開催案内DMである場合は、開催日の何日前までに案内のDMが到達していないと来客数が○割減るなど、その業界や業態によって経験則があるとのことから、やはり発送日は大事なタイミングと言わざるを得ません。
※DM発送から到達までの日数について、クロネコDM便であれば発送日から3~4日後がお届け日数とされています。郵便であれば、通常は投函の翌々日には送達しますが、送り主が送達に3日程度もしくは7日程度の余裕承諾をした場合には、割引が受けられることもあります。なお季節(例えば年末年始)や運送会社の配送状況により、その日数が変動することもあり、いずれも目安としてであり保証された日数ではありませんので注意が必要です。
タイミングを狙いすましたDMは効果絶大!
「売り時」「売れ時」を狙いすますという意味でのタイミングとは異なりますが、車検DM、誕生日DM(バースディDMとも言う)やセールDMなどは、タイミングを効果的に利用したDMの代表例です。誕生日DMでは、誕生日おめでとうございます!と言うメッセージから、あなたは大切なお客様ですという思いを伝えると同時に、そのタイミングを利用して、ポイントが○倍になるとか、購入したら○○%offにといったインセンティブを提示することにより、顧客の購買意欲を高め、来店を促進します。
車検DMも、そろそろ車検です!そろそろ1年点検ですよ!というタイミングを利用して、来店を促すと同時に、新車への買い替え需要を引き出すという狙いがあります。
DMは名指しのマーケティング手法ですから、特に、こういったタイミングを利用して「個」を狙いすましたメッセージを訴求しやすいという特性があります。このDMというメディアの特性をフルに活用して、その効果を最大化しましょう。
効果的なクリエイティブには大原則がある!
効果的なクリエイティブ・フックには、DMデザイン、体裁、素材、サイズ、作り方、書き方、伝え方など、様々な要素が絡みます。
本来であれば“私(送り手)”の好き嫌いではなく、“あなた(受け手側)”がどう思うかだけが、唯一のポイントなのですが、誰もが意見や文句を言うことができ、好き嫌いで判断したとしても、何が正解なのか答えを出せないため、実際は、受け手側がどう思うかよりも、送り手側の意向が優先されがちです。
ただし、クリエイティブ・フックには、長年の研究から確立された原則的なルールがあります。
それが「AIDAの法則」です。
米国で1920年代に応用心理学の分野でE・K・ストロング氏が、セールスにおける顧客心理の段階として論文中に示したもので、
今もなおマーケティングや広告営業において、クリエイティブやフックを考える際に広く用いられています。
「AIDAの法則」
- Attention(顧客の注意をひく)
- Interest(顧客に商品を訴求し、関心を惹く)
- Desire(顧客に商品への欲求を喚起させ、それが満足をもたらすことを納得させる)
- Action(顧客に行動を起こさせる)
※これにMemoryを加えた「AIDMAの法則」が、日本では有名かもしれません。
DM制作は「AIDAの法則」から考える
「AIDAの法則」に則りながら効果のあるDMのクリエイティブ・フックを考えていきましょう。
1. Attention(顧客の注意をひく)
目に留めて、手に取ってもらうことです。「即ゴミ箱行きにならないようにする」と言ってもいいでしょう。
紙媒体であるDMでは、視覚・触覚(稀に嗅覚も)を駆使して、顧客の注意をひく必要があります。
例えば…
- DMサイズを工夫して、他の投函物に埋没しないようにする
- 特色(特殊な色)や目立つ色を使ったDM印刷でインパクトを演出する
- 対象によって文字の大きさを変える(老眼対策など)
- 字体や書体を変える(BtoBであれば、宛名印字の字体を毛筆体に…など)
- 紙(印刷用紙)や風合いを変える
- キャッチコピーなどで目立たせる
- For You感をもたせる。(例えば、「選ばれたあなただけに…」など)
2. Interest(顧客に商品を訴求し、関心を惹く)
目に留めてもらい、興味や関心をもってもらうことです。
開封が必要な封筒DMや圧着DMは、開封させるきっかけ作りをするということでもあります。
その商品やサービスによっては、人の危機感をあおりつつ、効果的に興味・関心をひくことが求められます。
注意すべき点は、受け手側は送り手側が考えるほど、案内や言葉をじっくり読んではくれないということです。
視覚に訴えて、読まなくても何となく理解した気持ちにさせるのが大切です。
例えば…
- 開封率を高めるという意味では、立体的なものを同封して触覚に訴える
- 同様にミシン目加工をして開封しやすくする
- 目線の流れを考慮したDMデザインやレイアウトにする(人の目線はZに流れると言われています)
- キャッチコピーや売りの部分で、必ず目が留まるようにする
3. Desire(顧客に商品への欲求を喚起させ、それが満足をもたらすことを納得させる)
興味や関心を持ってもらい、購買意欲を湧かせるということです。
例えるならば、英語が不安で話せるようになりたいと思っている人に対して、
「この商品を買ったら話せるようになるかも」「英語でコミュニケーションできるようになるに違いない」と思わせることです。
さらに、「海外で何の不自由もなく買い物をしている自分」や「不自由なく英語で会話している自分」をイメージさせることです。
例えば…
- 受け手側の共感や安心感を得る
- 自社の信用や信頼感を訴求する
- 「この商品を購入するといいことがある」と期待感をあおる
- 「他人は持ってない特別なものだ」と優越感をくすぐる
4. Action(顧客に行動を起こさせる)
顧客にレスポンスさせるということです。
送り手側は、「買いたい」「欲しい」と思った受け手に、「きっかけ」を与えなければいけません。
それには「今、行動する(自分への)理由や言い訳」を提示し、「正しい判断をした」と納得させるための
フックを仕掛ける必要があります。その結果として、顧客は行動(電話/メール/来店など)を起こす訳です。
重要なことは、受け手が行動を起こそうと決意してから、間をおかずに行動を起こさせることです。
送り手側は、買おうというモチベーションが高い相手を受け入れる窓口を用意しておくことが大切です。
「鉄は熱いうちにうて!」これが鉄則です。
例えば…
- 「期間限定」「○月○日までの限定販売」「今なら/今だけ」など、時間を区切ってあおる
- 「激安」「安い」「○○%off!」など、価格の安さであおる
- 「2,000円のところ今なら1,000円」「さらに2つ買ったら…」「さらに○○がついてこの値段」など、お得感であおる
- 「来店したら…クーポン贈呈、ノベルティ贈呈」「買ったら○○」と、条件を提示しつつ、段階立てしてあおる
- 「VIP顧客のあなただけに」「お得意様限定」「大切なお客様だけ」など、優越感とパーソナル感をくすぐってあおる
- 「無料お試し」「無料サンプル差し上げます」などと、無料とお試しであおる(変化球として、あえて有料にする場合もあり)
- 「購入後○週間まで返品OK」など、安心感と納得感であおる
- ダイレクトにレスポンスを受け取れる「電話番号」、来店目的であれば「所在地図」などをわかりやすく記載する
- Webサイトとの連動やQRコード、スマートフォン他の便利機能を活用して、簡単に・わかりやすく・気軽に、顧客がレスポンスできるようにする。
効果的なDMを作るコツはセールDMにあり!
デパートやショップのセールの案内とその来店を促すセールDMをご存知ですか?実は、ハガキによるセールDMには、効果的なDM作りのHow toが凝縮されています。
定形ハガキのDMは、サイズが小さく、伝えるべき内容をコンパクトにまとめる必要があるため、結果として簡潔でわかりやすく、無駄な表現もなくなります。
一般的なハガキのセールDMの構成要素は…
- 「料金別納」「DM便」「メール便」などの表示
- 宛名の印字(or宛名タックシール)
- 差出人名(ブランド名、住所、電話番号)
- 開催場所・店舗や地図などの案内告知
- 「SALE」or「○○セール」告知の開催訴求
- 「○○%off~」など割引率表記による価格訴求
- セール開催日時「○月○日から○日まで」といった期間限定訴求
- 「大切なお客様だけ」などのFor You訴求
- その他の投函物に埋没せず、目立つように、紙質により手触り感を変えたり、特色を使った印刷
(地色がメタリック調の黒で、文字が金色とか)をしたりなどの「視覚」「触覚」を意識した訴求
これだけですが、見事にAIDAの法則に基づくクリエイティブ・フックの要素を、ほぼ満たしています。
特に、これから初めてDMを作るという方は、伝えたいことや、最低限記載すべき情報を、ハガキサイズを前提に、まず考えてみましょう。
その上で、さらに付け加えたい内容を顧客目線で考えていくと、DMのサイズ、体裁、仕様などのイメージも明確になります。
これが、効果的なDMを作るコツです。
費用をかけずにテストマーケティングする!
「DMデザイン、サイズ、体裁、コストを加味して、十分に考えた。きっとこのDMはあたる!」と思わなければ、ダイレクトメールの制作などできません。もしかしたら、「社内的にも上司や同僚にも意見を聞いたし、
大丈夫!いける!」と思われているかもしれません。が、ちょっと待ってください!
それなりの費用をかけてDMを発送する訳ですから、もう少し慎重にクリエイティブチェックやテストをしてみませんか?
「DMデザイン、サイズ、体裁、コストを加味して、十分に考えた。きっとこのDMはあたる!」と思わなければ、ダイレクトメールの制作などできません。もしかしたら、「社内的にも上司や同僚にも意見を聞いたし、
大丈夫!いける!」と思われているかもしれません。が、ちょっと待ってください!
それなりの費用をかけてDMを発送する訳ですから、もう少し慎重にクリエイティブチェックやテストをしてみませんか?
このようにご説明すると、「テストマーケティングですか?あれは…できれば…やりたいのですが…」と多数の方がおっしゃいます。
一般的にテストマーケティングは、クリエイティブの一部やフックの部分を変えて、数パターンで実際にDM発送してテストします。ところが、この方法だとテストマーケティングをするためだけにかかる費用が発生してしまいます。
このようにご説明すると、「テストマーケティングですか?あれは…できれば…やりたいのですが…」と多数の方がおっしゃいます。
一般的にテストマーケティングは、クリエイティブの一部やフックの部分を変えて、数パターンで実際にDM発送してテストします。ところが、この方法だとテストマーケティングをするためだけにかかる費用が発生してしまいます。
でも、私がおすすめする手法なら、やる気さえあれば、ほぼ費用はかかりません。その手法とは、DMデザインが何案かできたら、社内の方(できるだけ送付したいDMの対象に近く、販促や営業とは関係のない部署の方、これ必須です)に見せて、目に留まったポイントや感想・声を聞いてみましょう。 社員のご家族であれば、なおさら効果的です。
最も効果的な方法は、そこら辺を歩いている方を対象者に見立ててインタビュー形式で直接聞いてみることです(いかつい顔の方やトークが苦手な方は、社内の誰かに頼みましょう)。BtoBであれば、お得意先や取引先の担当者の方に聞いてみるのもありです。
個人の場合、キャッチ商法と間違われることもありますが、多くは親身になって回答してくれます。
DMデザインの作成を委託している制作会社の方に手伝ってもらってもいいかもしれません。
このひと手間をかけるか、かけないかによって、レスポスンスは格段に変わってきます。
1本のTVCMにウン十億円かけている某大手化粧品会社でさえも(当然こちらはそれなりにマーケティング費用をかけていますが)似たようなことをやっているのです。
4. DMは発送したら終わりではありません!
確実に売上を上げるDM発送後のフォローコール
DMを発送したら、後はレスポンスを待つだけ!と思っていませんか?
だとしたら、最大の誤りです。
実施したDMの成約率をアップさせ、売上げに直結させるポイントは、DM発送後の営業マンもしくはコールセンター等によるフォローコールです。特に、社内データ利用のダイレクトメールの場合に効果を発揮します。
※なお、外部のリストを利用した場合、電話による営業フォローはクレームとなる可能性がありますので、
十分に検討の上、実施するようにして下さい。
DMを発送したら、後はレスポンスを待つだけ!と思っていませんか?
だとしたら、最大の誤りです。
実施したDMの成約率をアップさせ、売上げに直結させるポイントは、DM発送後の営業マンもしくはコールセンター等によるフォローコールです。特に、社内データ利用のダイレクトメールの場合に効果を発揮します。
※なお、外部のリストを利用した場合、電話による営業フォローはクレームとなる可能性がありますので、
十分に検討の上、実施するようにして下さい。
最も効果的なタイミングは、顧客にDMが到達した時期です。DM発送前に実施すると、顧客にその時点で発送拒否される可能性が出てくるからです。発送直前になってダイレクトメール発送を中止することほど厄介なことはありません。
逆にDM発送後であれば、「DM発送させていただいたこと、もしかするとご迷惑だったかもしれませんが…」などとお詫びトークをすることによって、顧客とのトラブルを回避でき、距離を縮めることができるかもしれません。また、お客様の声から次のDMのヒントが得られることも…有るかもしれません。
DMを読まずに捨てた方や、気付かなかった方には、改めてご案内をすることもできますし、何よりもDMを送付したことをきっかけに、フォローする側が精神的に電話をかけやすく、話しやすくなるということも大きなメリットです。
リストクリーニングで販促機会も最大化?
もう一つ大事な作業は、顧客に到達せずに戻ってきたDMを回収し、DMリストから削除することです。一度不着したにも関わらず、リストクリーニングすることなく、再度発送するということは、DMの反応率を下げるだけでなく、
コストや紙資源の無駄遣い以外の何物でもありません。不着件数が発生する多くの原因は、送り手である企業側のDMリストの不備やミス、そして到達先の顧客の転居等です。これらは、企業サイドのちょっとした努力次第で、限りなく「0件」に近づけることができるのです。
これら不着のDMリストが社内で保有する見込み顧客や既存顧客のデータなのであれば、可能な限り顧客に連絡をとって、リストを修正して下さい。その際には、機転をきかせて「DMを送付したら戻ってきてしまいました… 期間限定のお知らせだったのですが、お客様には特別延長して…」などと、
DM不着を口実に販売促進の機会に変えてしまいましょう。
ちなみに、近頃では、電話番号の記入欄に個人の携帯番号を記入されるお客様が多いかと思います。一般的に、不着となる最大の要因は、顧客の転居等に伴う住所変更によるものですが、転居によって固定電話の番号は変わっても携帯電話の番号まで変更される方はごく稀です。そういう意味で、リストメンテナンスをきちんとやろう、顧客とDMを起点としたアクティブなコミュニケーションを推進しようという企業にとっては追い風と言えます。
営業DMの正しい利用方法とは?
営業DM(法人DMとも言います)は、B2Bマーケティング手法の一つです。つまり対法人や企業に対するダイレクトメールのことです。この営業DMは、その利用方法さえ間違わなければ絶大な効果を発揮します。よくDMを有能な営業マンにしましょう、外回りの飛び込み営業よりDMを送って効率的な営業をしましょうなどと、さもDMを送りさえすれば反応があります、待っていれば顧客からの電話が鳴り出しますなどと、夢のようなことを言われる方がいますが、これは明らかに間違いです。
DMは、送りさえすれば相手から連絡が来るという「待ちの営業」のために使うのではなく、
「攻めの営業」の「一環」として使うのが、正しい活用方法です。営業DMは、DMを一販促活動として単発的に実施するものではなく、営業活動の一環もしくはトリガーとして、その後の営業フォローを前提とするからこそ、最大の効果を上げることができるのです。